背中を押すという行為だ

「ブラックジャック創作秘話」という本がある。
この本については、以前から見かけていて「買おうかな、どうしようかな、でもなぁ」と思ってずるずると過ごしてきた。他にも漫画は山ほどあるし、自分の時間は有限だからだ。多くの人からアタリだと言われている作品でも、見ないことはある。それよりももっと他の、自分が見る作品というものが山積みだからだ。
どんな作品でも、この世にあるすべての作品において言えることは、「自分が見なきゃ意味ない」だ。多くの人から評価されるものだとしても、僕が見ないなら存在していなくてもいい。輝き続けていれば、いつか僕の目に留まる日がくるかもしれない。僕が何かを作るときもまた、同様なのだろう。このブログだってそうだ。僕には意味があるが、目に止まらない他人には意味はない。
そんなわけで、保留に保留を重ねた「ブラックジャック創作秘話」だが、「この漫画がすごい」の第一位になったことから、買うことになった。たまたま進撃の巨人を買いに行ったら平積みされていたから買ったんだけど。
「この漫画がすごい」という本は、他人の背中を押す行為の本だ。
いままで、タイトルは見たことあるんだよな、評判も聞いたことあるんだよな、読もうかな、どうしようかな、と悩んでいた本を、手に取らせる。そんな小さなことだが、それで僕はこの本を手に取った。
「この本がすごい」と「ブックマークサイト」や「ニュースサイト」は同じじゃないかな。他に面白い何かを紹介することが能力だ。人の背中を押す行為だ。