無制限と有限と微少

制限というものについて考えている。
たとえば本が無限に買えるとしたら、今買おうとしているその本は手元におきたいようなものだろうか? 
たとえばどんな料理でも食べることができるとしたら、目の前にあるその料理は食べたいものだろうか? 
たとえばお金が無限に使えるとしたら、手に取ったその商品は本当に欲しいものだろうか?
自分が好ましいと思ったものを、自分の周囲に置いているだろうか? そしてその理由は、お金がないから、という理由の代用品ではなく、本当に望んでいるものを置いているだろうか?
自分の本棚が欲しいと誰かが言う。壁一面の漫画を揃えるのだと誰かが言う。漫画喫茶のような漫画部屋が持ちたいと誰かが言う。それ、本当に持ったとして、好ましいものだろうか? 「他に保管部屋を借りて、他人に金を払って漫画を管理してもらう」って形状と「漫画喫茶」は何が違うだろう? そんなに違うだろうか?
無制限に金が使えたとして、自分の手元におきたい本を、本当に手元に置いているだろうか?