特殊能力「カレーうどんが跳ねない」

前から「それって、ネタなんじゃないの?」というヤツがある。たとえば「ボーナスだから無駄遣いしていい」とか「自分にご褒美」とか「給料日前は金がないからカップめん生活」とか。
ネタなんじゃないの? というのは、そういう状況に陥ったことがないからだ。少なくとも僕は。なので、ネタとして「そういうことを言う」ことはある。「カップめんばっかり食べてるね」といわれたら「ええ、好きなんです。けっしてお金がないわけじゃあないですよ。ええ。ホントに」って答えます。相手は「ああ、金がないんだな」って勝手に受け取ります。真実とは、各自が定義するものなので、それが相手にとっては真実でしょう。信じたいものだけを信じるのが人間。
同じように、周囲はそう言っているが、自分はピンと来ていないものがある。「それってネタじゃないの?」と思っていたのだ。しかし、どうやら、これはネタではなく、多くの人がそういう状況に陥り、自分だけが特殊なのだ、と認識を改めた。
特殊能力「カレーうどんが跳ねない」
うどん屋にいったら、前かけを出された。ここまでするってことは、つまりみんなマジで跳ねてるってことだろ? …あれって、跳ねるの? レンゲみたいなヤツに食べる分だけとって、それを口につけて食べれば跳ねないじゃん? …と、それが自然にできる人間にはわからない。
モテない人間の苦しみなどわからないだろう。こうすればいいだけじゃん、とそいつは言うのだ。
それもまた特殊能力。