犬魂

犬を飼ったことはないが、見ていて感じること。
彼らは、何かを恨まない。自分の不運や、不遇を恨むことがない。主人が家を出て行くときに、黙って見送る。帰ってきた主人に、喜びじゃれつく。そこに邪心はない。ただ純粋に、そうだ。
その場限りの刹那的な感情かもしれないが。そこに学びたいと思う。
犬は、ただ在るものを受け入れている。なぜ人間である自分は、それが受け入れられないのだろうか。
強欲の罪なのか、大食の罪なのか、手に入れていても足らないと言い、食べきれないほど抱え込んでいるのにまだ欲しいと言う。会えたらうれしいという、それだけで良かった。それだけで満足する。そんな感覚が不足している。