神になる方法

別に宗教に入れ、ってわけじゃあなくて。
アイルトン・セナという男がいた。ブラジルのF1ドライバでレース中に事故で死んでいる。彼が死んで以降、F1でレースの死亡事故はない。F1に詳しくない人間だって知っている人物だ。
彼が言っていた言葉をなんとなく覚えている。言い回しは明確ではないが。
レースをしていると。レースにおいて。神に近づく。自分が神の一部になる。神が自分の一部になる。
そんな言葉だった。
彼は信仰深い人間だったようだが。僕はその言葉について考えている。ランナーズハイのように極限的なレースをしていると神秘体験を得るのは医学的にも証明されていることだ。そうかもしれない。だが、それだけじゃあないもの。
神を取り込むという発想。神が自分の一部になるという思想。死に近づくための考え方、死を受け入れるための考え方。そういうものを考えている。
やがて神になって死ぬ。別に他人からあがめられたいわけじゃあないので、多くの人の考える神とはちょっと違うかもしれないが。