女王の性質

性質、というべきか。
たまに「女王の性質」を持つ人間が居る。
生まれ持った才能なのか、それとも後々育つ環境なのか、ある日突然目覚めるものなのかはわからないが。本人が自覚していてそう考えるのか、自覚もなくそうなのか。もしくは、人間は生まれたとき全員が持ち合わせていたのに、教育によって失われるものなのか。
女王の性質は、周囲に影響を及ぼし配下を作る、ということだ。顔の美醜ではない。性格の穏やかさや、気性の激しさなどでもない。家が金持ちであるとかでもない。なぜそうなのかわからないが、僕は子供の頃、そんな女王の性質を持つ人間を見たことがある。
また、集団を見ていてもわかる。観察しているとわかる。
女王の性質として、いくつか書いておく。
一つは、配下を置きたがる。支配したがる。これは多くの人が嫌悪するものを想像するが、そうではない。その人の言い分を聞きたくなるような、その人の意見を伺いたくなるような、そういう性質だ。
女王は、王(グループのリーダー)とはまた違う役割である。王は、他をひっぱっていく傲慢さが必要だが、女王にはその性質が必要ない。王は、他を巻き込む能力があり、周囲に人が集まる。王にはカリスマが必要だ。女王は、どちらかというと、直接手を下さない。だが王とは違うタイプのカリスマを要する。
グループの中で、そんな女性を見たことがないだろうか? それが女王だ。そしてそれは、女性とは限らない。