誰が主人で、誰が従僕なのか

ときどき怒りに支配されている人間がいる。悲しみに明け暮れている人間がいる。その人たちを見ていて、違和感があったが、それがなんなのか、ようやく理解できた。それでもちょっぴりだけ理解できた、ってぐらいなのだが。
彼らは、支配されている側の人間だ。「感情」という主人に支配されている。感情を従えていない。感情というものを他人のように、また物体のように考えるとわかりやすいかもしれない。感情に振り回されていて、感情を振り回していない。どちらが中心点なのかが、問題だ。
悲しみを捨ててしまいたい、という人間は、支配されている側の視点だろう。