天国へと私を押し上げる

天国とか極楽とか。そんなあいまいな満足加減について、考えていることがある。
貧しい時代、お腹いっぱいに食べられることが極楽だった。野生動物はそうだ。たっぷり食べて、たっぷり寝られればそれでその者は、幸福だった。そこがその者の天国だったのだ。だが豊かになり、人間はその地点を超えていく。動物的な満足度を超えていく。
お腹いっぱい食べるとか、十分に眠るとか、そんな程度じゃあない。セックスにおぼれるとか、恋愛至上主義になるとかでもなく、ヤクやら泣ける映画で脳内麻薬をバンバン出すことでもない。ライフハック、アハ体験でちょっぴり数日いい気分になるごときでもない。
僕が欲しいのは、もっと、強力なもの。強靭な天国。時間軸的な側面と、瞬間最大風速的な側面の、両方を持ち合わせ、そのうえ他を凌駕するもの。
多くの人が、それを見たことが在るはずだ。僕を押し上げろ。