七夕晴れ満月

珍しく晴れた七夕だった。織姫と彦星の話をどこででも聞く。最初にきいたのは、いったいどこだっただろう。このように、いつの間にか頭の中にいる物語がある。昔話だったら、幼児のころに絵本で読んでもらったのかもしれない。
しかしそうではなく、伝承だったり、明らかに家で知った知識じゃあないもの、また知識でさえなくただの思い込みだったりもある。これらの物語はいったいいつの間に刷り込まれているのだろう。
テレビの端で流れていたもの、チラシの裏に書かれていた落書き、ちょっとしたものが、頭脳に残っていて、それを読み取っているのだろうか。人間はいままで見たすべての物事を実は記憶しているが、年老いると、それが読み取るセンサが壊れる、と誰かが言った。
気分のよい物語を残したい。僕のためになる物語を。