共に生きることと、一緒に暮らすことは違う

昔は、それを同じものだと定義していた。だが今は違う。
環境というものは、物理的な位置に依存し、物理的な立場に依存していた。ところが近代、情報化社会によって、人間の思考は、その物理的位置による依存度を軽減している。自分がどこにいても、情報を発信し受信することができるからだ。
一緒に暮らすとは、ただの物理的な現象に過ぎない。
人間が共存するのは、弱いためであり、共同生活をするのは、経済観念に依存する。よって、経済的に独立している人間は、共同生活をする必要がなくなる。多くの人が、この点を勘違いしている。共同生活とは、このように、プラスになるのは経済観念以外にはない。あとはおしなべて、マイナスである。
だが、そのマイナスを、あえて払うことが、好きな人間と一緒に生活する、ということだ。孤独の先にあるものだと言える。
共に生きる人がいるヤツは幸福だ。一緒に暮らすしかないヤツは不幸だ。