マンガと小説の視点について

他人から指摘されて気づいたんだけど、僕の文章はときどき、誰の視点かわからなくなることがあるらしい。意図して書いている場合もあるが、そうじゃない場合もある。「ここまでが自分のことなのに、ここからは誰のことを書いているの?」と聞かれて気づいた。指摘された文章は、たしかに視点が変わっていたのだ。
で、思ったんだけど文章を書く場合って、たいていは一人称視点か三人称視点で書く。

そのとき、
こいつ、うぜぇ、
と、僕は思った。

これが一人称視点。

そのとき、
こいつ、うぜぇ、
と、k4は思った。

これが三人称視点。
これが、マンガの場合、もやもやな雲みたいのが頭から出てて、ソレの中に思ったことが書かれている。

(こいつ、うぜぇ)O0o。.(・д・)k4

で、マンガと小説の視点で一番違うなぁ、と思ったのが、人物が二人いた場合の表記だ。
マンガだと、同じコマに違うことを考えている人物が二人いる場合がある。

(こいつ、うぜぇ)O0o。.(・д・)k4
相手(☆皿☆).。oO(鼻毛出てンゾ)

ところが、小説だと、これが存在しない。

そのとき、こいつ、うぜぇ、と、僕は思った。
相手は、僕の顔を見ながら、怪訝な表情を見せた。

このような表記になる。鼻毛が出ていることは、自分で気づくか、言葉にして誰かに指摘されないといけない。

そのとき、こいつ、うぜぇ、と、僕は思った。
相手は、僕の顔を見ながら、怪訝な表情を見せた。
鼻のあたりを見ている。僕は自分の鼻毛が出ていることに気づいた。

このようになる。結局気づいているのは「僕」であり、一人の人間の思考だけが書かれている。
三者視点だと

そのとき、こいつ、うぜぇ、と、k4は思った。
相手は、k4の鼻毛が出ていることが気になったが、黙っていた。

である。しかし、この表記だと、視点が二つにわかれている。k4と相手だ。小説の場合、これが存在しない。
そうやって、視点をしっかりと据え、意見を述べないとブレる。