そういうSF

彼女は絶世の美女だった。
どんな服でもよく似合うグラビアモデルのような肉体美。短いスカートからすらりとした細い足が伸びている。彼女が笑うと、長く柔らかな髪の毛が揺れた。それを造作もなくかきあげる。手入れの行き届いた指先には、ネイルアートが施されている。とくに瞳には強い力が宿っているように感じられた。その瞳で見つめられただけで、たいていの男は彼女のことが好きになった。
そんな彼女が、僕に言った。
「あなたのことが好きなの! 結婚してください」
「そりゃ無理だ」と僕はさらりと答えた。
「一晩だけでもいいわ。あたしのことを抱いてください」
「うん。だから無理だってば」
「口付けだけ…手をつなぐだけでも…いいの」女は涙を流した。
「落ち着きなさい。できないものはできない」僕は頬杖をついた。
「なぜですか…」
「僕がCGだからですよ。ご存知でしょう?」
女はモニタの前で泣き崩れた。
僕は手を伸ばすこともできない。

ちなみにこれの男女を入れ替えると、僕らのことだよ! もこみちロボがくるって考え方、すっげー気持ち悪ィよ! でも理解できる! 不思議!