ショッピングの法則

モノを買うときに思うことがあって、それは買う側と、買われる側の意志についてだ。買う側の僕と、買われる側の商品の、二人の意志だ。
ひとつは、僕が商品を呼んでいること。そしてもうひとつは、商品が僕を呼んでいること。この二つが合致したとき、僕は最高のお買い物ができると考えている。ショッピングをしていて、なかなか良いものが見つからないときがある。それは「向こう(商品)が僕を呼んでいない」のだ。手元にある、都合のいい、たまたまあった商品を手に取るヤツもいるだろう。だけどそれは、最高のショッピングにはならない。ただその場しのぎの欲望の処理に過ぎない。
結局時期を逃して、春モノのジャケットを買いそびれたとする。だけどそれは、商品が僕を呼んでいなかったってだけだ。何も問題ない。春が過ぎたころに見つかることもあるかもしれない。しかし、そのとき、その商品を僕が呼んでいない、ってだけだ。
ちょっとしたはずみでエロ本を探していて、ぜんぜん姉モノがないときがある。だけどそれは、その本が僕を呼んでいないってことだ。別に抜きたくもないときに、その本を見かけることがあるかもしれない。しかし、そのとき、その商品を僕が呼んでいない、ってだけだ。