12年前、帝釈天が言った
あるところに高名な占星術師がいた。
一組の男女が、その占星術師に質問をした。
「僕らの相性ってどうでしょうか」
二人は生年月日を告げた。
占星術師は手元にある古びた本をめくりながら、水晶を覗き込む。しばらくすると、カードの山から一枚のカードを取り出して言った。
「星の位置が最悪です。今すぐ別れたほうがいい」
占いの結果を聞いた女は、息を飲んで立ちすくんだ。顔が蒼白になっていく。
すると突然、男が笑い出した。占星術師は怪訝な顔で男を見た。女は男の顔を心配そうに覗き込む。男は咳き込みながら、言った。
「なるほど。星の位置が最悪だってさ。それじゃあ」男は大笑いしながら続けた。「僕は、星の位置さえ、変えてみせる」
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