氷談義

「あってもよさそうなモンなのに、ないんだなぁ」と思っている商品がある。それはカルピスウォータを凍らせて、カキ氷にしたもの。カキ氷にカルピス原液をかけるんじゃあない。カルピスウォータそのものを凍らせ、その氷をかいたもの。いやぁ、これ、コンビニのアイスとかでは見かけるんだけれど、プロのカキ氷屋で見たことがないなぁ、と思っていたので、自作してみた。自作してみて気づいた。
カルピスを凍らせて見たことがある人間はわかると思うが、氷としての密度が低い。水だけで凍らせている氷に比べると、かなり柔らかいのだ。カキ氷は硬い氷を薄く削るから、舌触りの良いものができる。カルピスの柔らかい氷は、大きな業務用カキ氷機向きではなく、舌触りの悪いものになってしまう。もしカルピスを凍らせて食べる場合、小粒な製氷皿(6mm角)で作ったものを、そのまま食べたほうが僕好みだ。食べ物を凍らせる(冷やす)と、人間は味の認識率が落ちるので、味は濃い目に作っておくと良いだろう。
水を張った製氷皿を冷凍庫に入れ、まだ全部が凍結する前に取り出してみると、氷の結晶が外から中に向かって起こっていることが観測できる。周囲は凍っているのに、中が液体というキューブが形成される。ところがカルピスを凍らせると、違う凍結方法をする。