酒に酔う能力

僕には酒で酔う能力を持ち合わせていないので、その能力を持っている人から言えば「これだから童貞は」的な夢見発言なのかもしれないんだけど。

気に入らないことがある。
会社でカラオケに行った時、僕以外の全員が酒を飲んでいた。僕は素で「みかんの歌」を絶叫して歌ったわけだが、そのとき、言われた言葉。
「あんた、酔ってないのに、なんでそんなことできるの?」
酒を飲む人間は、だいたいこのセリフを言う。酔うと何かができるようになっているらしい。酔わないと何かができないらしい。「それは思い込みだ」と僕は言っているが、「思い込む」という事は何よりも「恐ろしい」ことだ…しかも、自分の能力や才能を優れたものと過信している時はさらに始末が悪い。
酒を飲んでいたので、浮気をしてしまった。酒を飲んでいたから、セクハラをしてしまった。酒を飲んでいたから、暴力を振るってしまった。酒を飲んで勇気が出て告白をした。
そのうえ、酒のせいで覚えていないと言う人間がいる。酔っていたんだから仕方が無いと言う人間がいる。そんな責任逃れが通用すると思っていること、そして実際に通用してしまうところが恐ろしい。酔っ払っていたときの犯罪のほうが、重罪にすべきではないの? なんで、酔っているから許されるって意見があるのかが、よくわからない。僕に言わせれば、すべて、自分で自分を馬鹿にしている行為だ。酒のせいにして、自分を裏切っていて、自分の神を穢している。
でもあれでしょ、きっと僕以外の酒に酔える能力のある人たちは、そんなこと思ってないんでしょ。「これだから童貞は」みたいなこと思ってるんでしょ。チクショー。妄想世界に逃げ込んでやる。お前らが酒に酔える能力があるように、僕はエロゲーできる能力あるんだからなっ! 悔しくなんかないよ、全然ねッ!