オタクってなんですか?

オタリーマンを知人に薦めたときの話。
「ねえねえ、これ、知ってる?『オタリーマン』って言って、めちゃくちゃ面白いから。読んで。わかるわー、これすっごいわかるわー。よしたにさん最高だわー。この、大宇宙一人ぼっちとか、もう泣けるね。ギャグ漫画なのに! オタのことをよくわかってる! っつーかこの人、絶対オタリーマンだね。本人だね」
「ああ、知ってる、これ売れてるんだよね。ふーん」ペラペラ。「……あのさ、ちょいと質問があるんだけどいいかい? これ、オタクの話なんて全然でてないよね?」
「え? いや、出てるじゃん。これ、オタクの生活そのものっすよ」
「……? ガンダムの話とか出てくるけど、どこがオタクの話なの? 人との付き合いがうまくいかない『引っ込み思案の人』の話だよね?」
「いや、だから、オタってこういう行動をとるっていうか……」
「……えーと? オタクはこういう行動をとりがちって言うけど、別にオタクの行動なんて、この漫画の人、とってないよ。引っ込み思案の人の行動だよね。それとも引っ込み思案の人は全員オタクだって話? オタクって人付き合いがうまくできない人のことの総称なの? 何かに傾向した思考をするのがオタク、ってのはわかるけど、それとコミュニケーション能力が低いことってリンクしてないでしょ。この人が太ってるってのも、飲み会に誘われないのも、健康診断にひっかかるのも、オタクと関係ないと思う。どこがオタクの話なの?」
「……あ、あれ?」
あの、すいません、オタクってなんですか?
参考文献:
よしたにの出版できるかなぁ」不定期になって残念ですが、描き続けて欲しいです。
http://www.chukei.co.jp/blog/yoshitani/
……しかし、そういったタイトルをつけ、本当はオタクの話じゃあなくて、誰にでも当てはまるであろう引っ込み思案の人をターゲットにしたから、あの本は売れたのだろうな、と想像する。(オタクと言っているわりには間口が本当はめちゃくちゃ広い、多くの人に受け入れやすい形状の漫画である)