仄暗い水の底から

オタクが日陰を好む理由は簡単で、陽の光に直接あたると、水分が保持できず、乾燥してしまうからである。オタクが深海を好む理由は簡単で、きれいな浅瀬に行くと水圧で内臓が口から飛び出してしまうからである。
オタクが「みんなで和気藹々とした」とか「全員が一丸となって」とか、そういったものの一切が嫌いなのは簡単で、そういったものが好きな人たちが「部屋の中でじっくりと」とか「一人で孤独に」とか、そういったものの一切を嫌うのと同じ理由である。
ただ、なぜか両者は、自分たちと同じ人間を増やそう、という思考の傾向にはあるようだ。まだまだ日本人的なのかもしれない。同じ人間がいようがいまいが関係なく、自分に気分のよいものをやるのが僕の定義するオタクだ。しかし、こうやって文章にし、同意を求めている時点で、同様の思考の人間を集めているのかもしれない。