100億の男

ある男がいて、そいつの年俸が100億あった。男は税金対策として、会社をいくつか立ち上げ、赤字状態にし、税金逃れをした。脱税でもないし、違法性はない。正当でよく見る方法だし、年俸が高い人間はこういうことをよくするし、節税対策というありがちな話になっている。
僕から見れば、それはたんなる貧しさだ。
なぜ何十億という大金を稼ぐ人間になっているのに、税金を笑顔で払えないの? 税金ぐらい笑って払ってやればいい。年金問題があるから年金を払わないという人間がいる。金があるところから取ればいいという人間がいる。自分が「金があるところ」であり、自分が「支えている」とは思わないようだ。年俸が何十億だろうが、何十万しかなかろうが、精神的な豊かさはまったくそんなところにはないし、セレブリティはそこにはない。
それにしても、何十億も儲けている人間が節税対策をしているのを見ると、いくら稼ぐようになっても、結局もっともっとほしいという貪欲さは、消えないのだろうなぁと想像する。