集合論

髪の毛が眼にかかるような長髪の男性が、複数人連れ立って歩いている。ジャニーズのように茶髪で、オシャレ。スキーかスノーボードの帰りのようだ。大きな荷物を抱えて電車に乗り込んできた。前髪をしきりに気にしながら世間話をしている。あの女とどうなったの?(もうとっくに終わったよ)貯金とかする?(ぜんぜんしねー)俺の2月終わった(家に帰っても楽しいことねーよ)
3人ほどいたが、誰も彼も似たような格好と髪型をしている。人は嗜好の似た人同士で集合したがるのだろう。たとえば彼らからみたらオタが3人集まったら認識できなくなるだろう。
どんな人生を歩むのか、人それぞれ、もちろん自由だ。彼らと話せば交友的できっと楽しい会話を提供してくれるだろうけれど、分かり合えないだろうな、ということだけを感じる。外見で人を判断するのは良くない、と聞くが、外見で判断できることも多くあるのではないか?もちろんそれがすべてではないにしても。
ところで、以前、そういう髪型をしたイケメンに質問したことがある。「前髪、邪魔じゃあないのか?」すると彼は「ええ、邪魔ですよ、アハハ」と前髪をいじりながら答えた。邪魔なのになぜきらないんだ?オシャレとはそもそも、そういった無駄な部分だ。オタに「絶対領域なんて触れるだろ?」と問うのと同じだろう。そういうモノなのだ。認識できるのは「そういうモノなのだろう」までだ。それ以上は理解できない。僕だったらその前髪を切るから。

                • -

大学の話をしましょうか 読了
インタビューをテキストに起こしたもの。大学にはこんな側面がある、という視点。