晴男と雨男の違い

夕方。僕が新宿で降りると、突然の大雨。傘を持っていない人たちが蜘蛛の子を散らすように逃げていく。さっきまで人ごみで溢れていた道は、がらがらになった。
僕は持っていた傘を広げて思う。
「ツイてるな。足のおそい人間が退いて、僕が歩きやすくなった」
がらがらになった道を、悠々と歩いた。
この考え方が、晴男システムである。逆が雨男システムである。ツイてるヤツと、ツイてないヤツも同じだ。
両者に起こる現象は同じである。しかし、捉え方が違う。
例えば探し物が見つからないとする。これはツイていないのではない。相手が見つけて欲しくないとき、もしくは見つけると僕が損をするときなのだ。
試験に落ちるのもそうだし、信号で足止めを喰らうのも、電車が遅れるのも、すべて僕のためだ。僕に大きな損が起こらないために、小さな損で我慢してくれと世界側が僕に言っている。
そういう考え方が、晴男の考え方なのです。ハッピーだね。頭が。