失われたエデン

いいなりあいぶれーしょん、売ってないかなー、重版したって言ってたしー、と思って本屋に行くと、制服を着た男子学生が二人、漫画売り場の前で話し合っていた。どちらも冴えない風貌だ。中学生ぐらいだろうか。学校指定の鞄が真新しい。売り場に近づくと話し声が聞こえてきた。
「そのために来たんだろ〜」
「そうだけどさぁ」
「いいかげんにしろよなぁ」
「うーん、うーん…」
なんだ？　万引きか？　片方のヤツが万引きを強要しているのか？　僕が漫画を探すフリをして二人に近づいたが、逃げる様子も隠す様子もなく、会話を続けている。
「さっさとしろよぉ」
「えー、でもー…」
「覚悟を決めろ。ほれ、数えるうちに行くぞ。１０、９、…」
「ちょ、ちょっと待ってよぅ」
……。…ああ、そういうことか。
僕はもて王の新刊を手にとり、レジへ並んだ。二人の少年は僕のすぐ後ろに並んだ。レジが終わった瞬間、僕はさりげなく振り返った。彼らが手にしていたのは「ToLoveる」
僕は、安心してその場を去った。乳首券…発行されまくりだもんな…少年よ…いいなりあいぶれーしょんで少女の尿とか言っているおっさんを許せ…。僕は始めて、知欠を許せる気がした。

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今日の買い物
もて王（7）　ブラ孔雀登場。8巻で終わりかぁ。でも短編集でるのね。