桜の優遇

桜って言われると、悪いイメージがなかなかない。良いイメージを受け付けようという電通の策略か。僕の勤めている会社のすぐ目の前が桜並木になっていて、時期になるとすごい。しかもオフィス街なので酔っ払いもいないし、カップルもいない。
夏になると葉が生い茂り、日陰になってちょうど良い。大きな通りだと、信号が見えないという理由で短く切られてしまうのだろうけれど、小さな通りなので、通りを覆い隠すほどの枝ぶりなのだ。木漏れ日の桜並木を歩くことができる。
ところが、花が終わると、舞い散る花吹雪がものすごい。道路の排水溝には桜の花びらが大量に溜まっている。道路は花びらだらけ。強風が吹くと花びらが竜巻のように回転して舞い上がる。掃除は誰がするんだろう。毎日散るから1週間ぐらい掃除の日々が続くのだろう。秋には同様に大量の葉が落ちる。これも商業ビルの清掃業者が毎日のように掃除をしている。
これって環境破壊だとか、汚いとか思われないの? だってこの掃除する人ってお金で雇われてるんですよね。ボランティアじゃないと思うんだけど。結局、その人の労働力を奪っている。燃えるゴミが大量に出ていて、都市部のゴミは有料だから、その分お金を誰かが払うことになる。
いや、たしかに桜並木はすごくイイし、僕も桜の盆栽持ってるぐらい好きだけど、いつでもどこでもプラスのことしか書かれていないことが不安になる。
悪い面ばかりが言われることも、良い面がないわけではなく、ただそちらのほうが目立つとか、被害が良い面ではカバーできないとか、そういうことなんだろう。両面があることを見つめて、自分に有利なように運ぶといい。