口だけのヤツと、技だけのヤツ

ものすごく技術があり、技能が高く、技巧が優れていて、能力はすばらしいと絶賛される存在なのに、会話能力が低いせいでダメになってしまう技術者を見かける。
よく切れるし、名匠が作ったナイフなのにグリップの部分が悪いというカンジ。有能な人間にわりと多い。使うほうのスキルが低いとも言えるが、多くの人に使いやすいグリップがついていることと、研ぎ澄まされた刃の美しさは別だと認識したほうが良い。
結局、他人を言い包める理だけしかない、グリップだけしかないナイフみたいなヤツと、他人を切り刻む理だけしかない、刃だけしかないナイフみたいなヤツがいる、ということ。どちらも意味としては、非常に似ている。口だけのヤツの、技だけのヤツでは、同じだということ。
僕は技術側なので、技だけになりがちだ。実際会話スキルは異常に低い。僕が言っていることが論理的で隙がなくても(なければないほど、か)すぐに喧嘩になるし、口も悪いので客が気分を害してしまい、総合的に損になることも多い。そんな刃だけのヤツを、誰が使う?