偶像

僕という現象を見ている人間が複数いるとしたら、その人数分だけの僕という偶像が存在する。どれも僕ではなく、僕を観察する人間の頭の中にいる僕という偶像だ。僕自身にはその偶像は影響しない。テレビに出るような人は、観察者が多いから、きっとより多くの偶像が存在するのだろう。会ったこともないのに、抱かれたい男に選ばれたり、嫌われる男に選ばれたりする。しかし、本当のところ、本人には何も影響がない。