推理小説を一番つまらなくする読み方

それは「推理しながら読む」ことである。犯人は誰なのか、誰なら犯行が可能なのか、それを隠蔽する方法はなんなのか、作者はどこにミスリードを隠すのか、どこにヒントをおくのか、読みきろうと、相手の思考パターンをスキャンしてトレースしてセーブする。どこをどう操作するのかを考える。なんと、小説をつまらなくすることか。「ひぐらしのなく頃に」をそうやって読んだ。なぞがあるといわれ、1%しかたどり着かなかったといわれれば、ちょいとチャレンジしたくなるじゃあないか。しかし1%って100人に1人はたどり着くってことだ。そんなに難しいことじゃない。とくに大々的に言っているやつは、大抵誇張だ。そんなのは割と解ける。
そしてそうやって、読んでしまって、実に、実に、話が面白くなくなってしまった。恐怖など破片もない。誰がどうやってどうすればそれが可能なのか、を見ていれば、犯人にはたどり着く。だが面白さの本質はそこにはない。
ひぐらし」をそうやって読んでいる。