死刑について

先日、なにかの(詳細は覚えていないが)事件の犯人が死刑になり、その被害者の遺族が「謝ってほしかった」と答えたことがあった。遺族の意識は、犯人の死刑うんぬんよりも、謝るほうが優先されている。今と昔の死刑の質が変わってきているのだろう。死にたいするイメージが違うのかもしれない。被害者の遺族はもし、犯人が謝ったとしたら、それで許すことができるのだろうか。
謝るということは、当人の意識が変わった、ということを示しているのだろうか。肉体的な死より、そういった人格改造のほうが、罪を償ったことになる、と遺族が考えているのだろうか。ほかの人はどうだろう。その遺族の台詞に共感できるものがあるならば、きっとそう思っている面が強いのかもしれない。そうやって、罪の意識を持たせることが、社会維持には必要であることはたしかなのだけれど。とりあえず、今の世の中じゃあ、死刑ってのは、もう、そんなに重い刑じゃあないのかもしれない。
自分ならどうだろう。と思うことはある。自分の手で犯人を殺せるとしても、きっとなにも晴れないだろう。そんな意識だけはある。