拡散して、収束して、変調して

SFとゴシックについて調べてみると、両者ともなかなか長い歴史があるようだ。時間軸で言うと、まあ100年以下だが、変調というか、はげしく変化してきた経緯というか、出た当初は目新しい流行言葉で「最近流行!」という名で売り出した。新しい言葉というものは、これもSF、あれもSF、これもゴシック、あれもゴシック、という取り込んでいく姿勢がある。
まあ、そのせいで、意味が拡散してしまい「じゃあSFってなによ」「じゃあゴシックってなによ」といわれると、それは本格、それは新説、それは懐古、それはファッションと、用語の前後に説明語が必要になり、どんどん曖昧になってしまい、そのうちツンデレぐらい拡散して消えていくのかもしれない。
おそらく、このジャンルという言葉は、いままで、要素が先にあり、その中にブランドが入っていた。ところが今は、何かを形成しているブランドがあり、その中に要素が含まれている。実例は、SFという要素があり、その中にスターウォーズが入っていた。ところが今は、スターウォーズがまずあり、その中にSFという要素が含まれている、という認識なのだろう。いつの間にか、包んでいたものが、包まれている。どこかの時点で「SFとはこういうものだ!」「ゴシックとはこういうものだ!」と誰かが声高々に叫んだとしても、それはすぐに古くなって、無意味なものになってしまう。言葉は拡散して、収束して、変調していくようだ。そういう自由度なのだろう。