大切なものを大切にする。ごく自然なことだ。それができないのはなぜだ。アホなのか？ 僕は想像力豊かで有能だから、そうはならない、というわけではない。僕に特技なんてものがあるのなら、それは自分を棚に上げることだ。

やり遂げたときの達成感がある。燃え尽きたときの満足感がある。せいっぱいやった。そういう気持ちを持ってベッドに倒れこむ。泥のように眠れる。そこで僕は考える。それは単純に、全力で走っているときの気持ちよさ（快楽）に負けているだけではないのか。…

「なんかさぁ、お菓子の家に住んでるんだか、迷い込むヤツいなかったっけ」 「いたねぇ。青い鳥だっけ？」 「違うよ、たしかエンゲルとケースーみたいなヤツだよ」 「絶対それではないけれど」